ルテイン – Lutein

1.視覚のトラブルを改善

視界の中心が暗くなったり、ものが歪んで見えたりする眼の病気が今日本で増加しています。加齢黄斑変成(AMD)と呼ばれるこの病気になると、眼に生じた異常により視覚のトラブルが起こります。下の図はその有病率を示したグラフですが、左側の初期のAMD、右側の深刻なAMDとも、2007年の有病率が上昇していることが分かります。

出典:第62回日本臨床眼科学会デイリーニュース
出典:第62回日本臨床眼科学会デイリーニュース

2.加齢黄斑変成とルテイン

ルテインは、この加齢黄斑変成に対して改善効果があると考えられ、2008年から2013年にかけてアメリカで大規模な試験が行なわれました。(National Eye InstituteとUS Department of Health and Human Sarvicesにて実施)全米90カ所の患者センターから4,200名のAMD患者をグループに分けて、それぞれルテインやDHA、プラセボを5〜6年投与し、AMDの進行度や白内障の進行度、視覚機能などへの影響を確認しました。その結果、ルテインとゼアキサンチンを投与されたグループはその他グループと比べ、進行性AMDのリスクが10%低下することが明らかになりました。(出典:Richer S, et al. Optometry. 2004 Apr;75(4):216-230.)

3.ルテインとは?

ルテインはカロテノイドの1種です。先の試験で一緒に投与したゼアキサンチンもカロテノイドの一種です。カロテノイドは黄色や赤の脂溶性色素で、自然界には600種類、ヒトの血清のなかには14種類が含まれます。ルテインはほうれん草やブロッコリーに豊富に含まれるのですが、試験では『FloraGLO®ルテイン(フローラグロー ルテイン)』というマリーゴールドから抽出したサプリメントが使われました。

4.ルテインの視覚における役割

ものの輪郭をはっきりさせる役割を持つのが、目の網膜に存在する黄斑という部分です。黄斑に存在するカロテノイドはルテインとゼアキサンチンのみ。これらは、外から入ってくる強い光のエネルギーを吸収したり、脈絡膜に異常な血管ができるのを防いだりして、眼を守っています。年をとるとAMDや白内障を患うリスクが高まりますが、ルテインにはこれを抑える働きがあります。ほかにも、ルテインはまぶしさを和らげげたり、コントラストを読み取る視覚機能にも関係しています。

5.ブルーライトによるリスク

Snodderly et al. 1984
出典:Snodderly et al. 1984

視覚トラブルが増えた原因のひとつに、ブルーライトや紫外線の影響が指摘されています。青い光は可視光の中でもエネルギーが強く、眼の細胞を傷めることが分かっています。(出典:Putting et al., 1992)近年、LEDの普及やPC利用時間の増加により、ブルーライトによるリスクが高まっています。2012年にはこの事態を受けて、眼科医によるブルーライト研究会も立ち上げられました。